超都市国家シンガポール的日常 ブログ

HP「超都市国家シンガポール的日常」の日記です。日本を離れた旅好きのオタクは、シンガで生き延びることができるか?
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NHK音楽祭 アシュケナージ×キーシン(シドニー交響楽団)
ちょっと日本に帰っていました。コンサートを聴くためです。
毎年秋にNHKホールで行われる「NHK音楽祭」の、4日目のシドニー交響楽団の公演に行ってきました。指揮:アシュケナージ/ピアノ:キーシンの豪華競演だったのですもの!早々と全席完売したこの公演、私も半年以上前からチケットと飛行機の座席を予約して、この日を待っていたのです。



◆ショパン:ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調 作品11

キーシンの独演会といういう感じでした。今まさに円熟期。
高音のきらめきといい低音の荘重さといい、神がかり的です。私は第一楽章後半の、第2主題の再現部から後が好きなんですが、その部分の切なさ全開の音にメロメロでした。何と繊細で甘美な音の運びなんだ…
第二楽章のロマンスには、客席も皆うっとりしている様子が見えた(笑)
第三楽章のロンドは、オケの調子が上がってきたこともあって、キーシンの弾きっぷりもノリノリでした。

実はオーケストラについては、ちょっともたついた印象でした。
特に第一楽章は、ホルンがカマしてた箇所もあったし(;´Д`)。
しかしこの曲自体、もともとオーケストレーションについては、イマイチと言われる作品ですからね(あわわ)。キーシンのピアノの美しさが堪能できれば、それでオッケー。
あと、会場のNHKホールは所詮多目的ホールなので、音響に限界があります。でも3600人収容のこのホールでなければ、私ごときの実力でこの公演のチケットが取れたとは思えないので、目をつぶってあげましょうw

コンチェルトの後で、キーシンによるアンコールが2曲ありました。
1曲目はショパンのスケルツォ第2番でしたよ。すごっ(@_@)。単独のピアノリサイタルだったらメインの曲ですよ、コレ。これがまた壮大で華麗な演奏で、ぶっちゃけた話、この日いちばん印象に残ったのはこの曲だったくらいです。感動しました。
2曲目は小犬のワルツ。凄いスピードで、小犬のくせに超絶技巧曲になってたわww

◆ラフマニノフ:交響曲 第2番 ホ短調

オーケストラとしては、こちらの曲の方が断然すばらしい出来映え。
御年74歳のアシュケナージの、体全体を使った指揮の力強さに脱帽しました。11月7〜10日にかけて、福岡から東京まで、4日連続で指揮棒を振ってるのに!小柄なアシュケナージが、きびきびノビノビ指揮をする姿が印象的です。

ラフマの交響曲第2番の肝は、なんといっても第三楽章です。
この日の演奏もここが秀逸でした。優美な旋律の広がりに溺れましたよ、ブクブクと。クラリネットのソロパートが美しすぎて、何だか目頭が熱くなりました。やはり生演奏は心に直接響きますね。
第四楽章の情熱的な演奏も圧巻。特に後半の収束力がすごかったです。

こちらのシンフォニーの後のアンコールは「A Song for Japan」
スティーブン・フェルヘルストという作曲家の、トロンボーンの曲です。東日本大震災の被災者と日本を励ますために、今年の4月に作曲されました。これを世界中の様々な音楽会で演奏し続けていくことによって、被災地に思いを馳せようとするプロジェクトだそうです。
既にYou Tubeにも、各国で演奏されたこの曲の映像が上がっています。

団員さんがこのことを日本語で説明してくれた後で、4人のトロンボーン奏者が舞台前面に出てきて、演奏してくれました。
静かさの中に力強さを秘めたトロンボーンのメロディに、泣かされましたよ…。震災から8ヶ月が経った今でも世界中の国々に、日本のことを支えようとしてくれる人たちがいるんだなーと実感しました。



この日のコンサートの様子はNHK BSプレミアムで放送されるそうです。
(ワールドプレミアムの枠では放送しないみたい、残念。国内のみです)
11/26(土)23:30〜翌3:30にオンエア。下手側のバルコニー席で、解説者の撮影をしている様子も見ましたよん。すてきなコンサートだったので、日本国内にいる方はぜひご覧になってください。

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| あさぱん(Asa-Pan) | 演劇・コンサート | 17:44 | comments(2) | trackbacks(0) | -
中丸三千繪ソプラノ・コンサートで、客席降りにびっくり!

今回、この暑い時期に日本に一時帰国したのは、
優雅なことにコンサートを観るためでした。

夫と私のお友達の電子オルガン奏者の女性が、
中丸三千繪さんのソプラノ・コンサートの演奏を勤めるというのです。
しかもそのコンサートは、私の故郷の湘南で開かれるというのです!
これはもう、帰ってくるしかない!!



中丸さんといえば、言わずと知れた世界の歌姫です。
私が彼女のナマの声を聴いたのは、実はこれが初めてでした。
おお、これぞ天上の歌声…! 聴くだけでなんだか涙が出ましたよ…!
ヘンデルの「涙の流れるままに」の声量に圧倒され、
トスカの「歌に生き、愛に生き」の清澄な響きにウルウルし、
「シチリア島の夕べの祈り」の「ありがとう愛する友よ」のときには、
予定外の客席降りに驚愕しました。中丸さん、すごすぎー!

この客席降りはぜんぜん主催者側には知らされていなくて、
ステージから客席へ降りる階段も用意されていなかったため、
中丸さんはダイレクトに飛び降りちゃったのです。ロングドレスで!!
そして客席のあちこちを歩きながら、まるで息を切らすことなく、
女神のような美しい声で歌い続けたのです。客席大興奮。
さらにステージに戻るときも、客席からステージに、
ヒョイっと飛び乗ったのです。ロングドレスで!!
いやー、すばらしいサービス精神だ。すっかりファンになりました。

第二部では「La Vie en Rose」や、
「回転木馬」の「If I loved you」などの、
ミュージカルファンにおなじみのナンバーも歌ってくれました。
シンガポールでは常にミュージカルのナマ舞台に飢えている私、大喜び。
アンコールの「私のおとうさん」も、とてもとても切なく美しい…
歌の合間に、最近お父さんを亡くされたというお話しを聞いた後だったので、
胸に迫るものがありました。

終演後は夫とともに首尾良く電子オルガン奏者のお友達に会い、
機嫌良くロビーに出てきたら、そこには行列が出来ていました。
中丸さんのCDを買ったら、サインをしてもらえるというので、即・購入。
自分の番がきて、間近で見た中丸さんは、美人な上に超小顔だったよー!!
実は翌日は50歳のお誕生日だったんですって。ぜんぜん見えないよ、若い!

サインをもらうときはここぞとばかりに、
「シンガポールから一時帰国して聴きに来たんです」
と言ってみました(←姑息大作戦)。
すると「まあ、遠いところからありがとうございます」と、
中丸さんの方から握手してくださったのです。その手の細かったこと!
こんな細い人が、舞台ではあんなに堂々とした姿で、
すばらしい声を聴かせてくれるんだ…、と改めて感じ入りましたよ。
次はオペラの舞台で中丸さんを観たいなー。

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| あさぱん(Asa-Pan) | 演劇・コンサート | 21:38 | comments(0) | trackbacks(0) | -
宝塚宙組「トラファルガー」

5月末から6月アタマまで、ちょっと日本に帰っていました。
滞在前半は夫の実家の大阪へ。梅雨前の爽やかな関西の気候を満喫しました。
京都にも足を伸ばしたところ、新緑の古都はいつまでも歩いていたい快適さ。
シンガは蒸し暑すぎて「いつまでも歩きたい」と思う事がないもんな(;´Д`)



大阪に行ったら、いつも宝塚大劇場での観劇も楽しみます。私の最大の趣味w
今回観たのは宙組公演の「トラファルガー/ファンキー・サンシャイン」。
ネルソン提督の生涯を描く「トラファルガー〜その愛と奇跡〜」は、
ノーマークの舞台だったんですが、結構楽しめました。
そもそも私はネルソン提督に対して、
「トラファルガー会戦で大勝して、ロンドンのトラファルガー広場の真ん中に、
記念碑が建ってる人だよね。あの石柱、異様に高くて顔がわからないよなぁ」

くらいしかイメージありませんでした。が、この舞台を観て初めて、

ネルソンが駐ナポリ英国大使の奥さんと不倫していたこと(!)や、
戦争に次ぐ戦争の間に右目と右腕を失っていたこと(!)や、
トラファルガー海戦を大勝利に導いたものの、
自身はそこで戦死したことを知りました。
教科書に載らないタカラヅカ。もともとドラマチックな人物なんだねー。

ネルソン役の大空祐飛は、翳りのある演技が苦悩する英雄にピッタリでした。
「ヴィクトリー♪」と熱唱する姿がたいそうかっこよく、ツボにハマります。
英国大使夫人エマ・ハミルトンを演じた野々すみ花嬢は、大人の女がお似合い。
ライバルのナポレオンを演じた蘭寿とむは、不敵で華々しい役作りがグーです。
「ナポレオン〜その愛と野望」とか題名を付けて、別のお芝居が作れそうだ。

ネルソンが旗艦「ヴィクトリー」上で戦死するシーンには、涙・涙でした。
しかし舞台上のネルソンがいきなり「I have done my duty!」
と言って死んだのには、かなりビックリした。ここだけ英語かい!!
史実どおりのセリフらしいんですけど。
「私は義務を果たした」に敢えてしなかった、演出家のこだわりを感じました。
しかしやっぱりトートツだよなあ。面白かったけど。

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| あさぱん(Asa-Pan) | 演劇・コンサート | 23:25 | comments(0) | trackbacks(0) | -
劇団☆新感線「薔薇とサムライ」

シンガポールに戻っています。やっぱり暑いねー。
日本を出る直前に、劇団☆新感線の「薔薇とサムライ」を観てきました。
シンガポールでは、常に新作のナマ舞台の観劇に飢えているのです。トホホ。



総括:天海祐希のコスプレ大スペクタクルショー(爆)

ヒロインのアマミさん、かっこよすぎだ!!!!!

今回の演目は、2008年に好評を博した「五右衛門ロック」を、
16世紀の欧州に置き換えた別バージョンです。
私は「五右衛門ロック」は観ていないんですが、問題なしでした。
七つの海を股にかけて活躍する古田新太 as 石川五右衛門
(時代考証とか気にせん気にせん)が、絶大なパワーを炸裂させてます。
笑わせて、泣かせて、殺陣が美しい…

その五右衛門が用心棒として守っているのが、天海祐希の女海賊アンヌ。
何なんだ、あのむちゃくちゃな華はーー!オーラが輝きすぎて目が痛いです。
私が生アマミさんを観たのは実に15年ぶりだったんですけれど
(つまり宝塚の退団公演以来)、磨かれたあのオーラは、もはや太陽級です。
歌って、叫んで、タンゴを踊って、コメディエンヌとしての本領も発揮してる。
もう文句ナシ。

このアンヌ、実は亡きコルドニア国王の遺児だったものですから、
女王様として当極してからは、そりゃーたくさん着替えます。
まず、スラリとしたジャック・スパロウばりの海賊衣装がかっこいい!
舞踏会での真っ白なフリフリドレスは、ビミョーに似合っていなくて可愛いw
それを脱いじゃった後の、白い男役衣装のタンゴときたら、キマリすぎ。

二幕になってからのアンヌは、エリザベス女王ばりの、
真っ赤な襟巻トカゲドレスが板についてきます。
やがて自らが海賊討伐軍を率いることになって、着てきた軍服がなんと。
オスカルーーーwww

もろに近衛隊長時代の、あの真っ赤な軍服です。さらに金髪のくるくるカツラ。
一幕のアンヌは栗色の髪だったんですけど、もはや誰も気にしちゃあいないよw
二幕のアンヌは、ほぼ最後までオスカルの姿のまま通します。うきゃーv
めまぐるしく盆が回る大海戦の場面で、舳先に立って指揮を執る姿が、
たいそう迫力がありました。この場面、観客はオペラグラスを握りっぱなし。

今回は他のゲストもやたら豪華でした。おかげでチケットが取りにくいったら!
山本太郎のデスペラード豹之進は、おバカな演技が冴えてて最高。
森奈みはるのエリザベッタは、美しい歌声を響かせまくってます。美味しい役。
浦井健治のシャルル王子は、笑えるほどストレートな王子様。
神田沙也加のポニーは、お嬢様の演技がハマってる。歌声がお母さんソックリ!!
藤木孝のラーカム大宰相は、悪役の哲学が魅力的。あるイミ、影の主役かも。

そしてもちろん橋本じゅん・高田聖子・粟根まことら劇団員の、
アクの強いお芝居があるからこそ、濃いぃ新感線ワールドが展開されるのです。
(橋本じゅんの衣装は反則技!面白すぎて拍手せざるを得ないよ)
ワタシ、この日は美術館見物と梯子したりして疲れていたはずなんですが、
居眠りどころか瞬きする暇もありませんでした。
このお芝居がナマで観られる時期に、一時帰国できてよかったv

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| あさぱん(Asa-Pan) | 演劇・コンサート | 02:03 | comments(0) | trackbacks(0) | -
宝塚宙組「カサブランカ」で、キミの瞳に乾杯!

シンガポールに戻ってきています。
何この蒸し暑さ(´Д`;A

オーチャードロードのクリスマス飾りが、まだまだ増えていて驚きました。
日本のクリスマスデコレーションは、シンガポールのを見ちゃった後では、
東京のも大阪のもいかにもショボかったです(汗)
でも「さあ仕事をキリキリ片づけて年末イベントに邁進するわよ!」という、
挙国一致的ワクワク感(何ソレ)は、日本の方が断然高かった気がします。
やっぱり冬の冷たい空気と、クリスマスの後にお正月が控える環境が、
人心に与える影響って強いのねん。
(シンガポールで祝うのは旧正月なので、
別に12月31日に全てがリセットされるわけじゃないもんなー)

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆



帰国中に関西で宝塚大劇場の宙組公演「カサブランカ」を観てきました。
私にとって新作ミュージカルの観劇は、人生のごはんに等しいのです!(爆)
今回の演目は、言わずと知れた1942年製作のあの名作映画を、
世界で初めてミュージカル化したもの。演出の小池修一郎氏の腕が光ります。

「そんな昔のことは俺は忘れた」
「そんな先のことはまだわからない」
「君の瞳に乾杯!」

映画ファンにはおなじみのあのセリフを余すところなく散りばめて、
映画に限りなく忠実に、主人公二人の出会いの場面まで付け加えた脚本は、
たいへん完成度が高くてゴージャスでした。
イルザがリックとパリで出会ったのは、ラズロの死の報せが彼女に届いた日、
という設定にしたことで、イルザから曖昧さが消えているのがグー。
映画のイルザは、見様によってはどっちつかずのヤな女だもんなー(汗)

主役のリックを演じたのは、今回がトップお披露目の大空祐飛。
この人が駆け出しの頃から12年くらい隠れファンをしている私は、
彼女のポストカードを、年代別に山のように持っています。
(宝塚では個人のポストカードの売上が、人気を測るバロメーターらしい)
でもまさか、彼女をトップとして拝める日が来るなんて思わなかったー!
この演目の公演中に、一時帰国できて良かったヨ!

正統派のヒーローよりも、影のある男役がピタリとハマるユウヒちゃん。
過去に囚われた男・リックでトップお披露目を飾れるなんて、最高です。
それにしても何というスタイルの良さよ。トレンチコート姿にクラクラ。
「俺たちが何日一緒に過ごしたか知ってるか?おれは数えた、一日残らず!」
と、再会したイルザに詰め寄るシーンにノックアウトされました。
孤高の男がふと見せるヘタレさを演じさせたら、天下一品!

イルザを演じた野々すみ花嬢は、私にとってノーマークの娘役さんでした。
パンフレットを見る限りでは「可愛い系の娘役かな?」と思っていましたが、
舞台の上では見事に艶麗なイングリット・バーグマンに化けていてビックリよ。
運命に翻弄される知的な美女を、ドラマチックに演じていました。巧い…
こーいう「北島マヤ系」の、舞台姿と素顔とのギャップが大きい役者さんは、
ツボにハマります。このギャップが顕著に楽しめるのも宝塚のいいところ!

ラズロ役の蘭寿とむは、大人の革命家を抑えた演技で好演していました。
ドイツ軍人たちが「ラインの守り」を歌うのに対抗して、
「ラ・マルセイエーズ」でフランス人たちを鼓舞する場面の歌声がステキ。
このシーンは映画版をそっくりそのまま再現したものですが、、
ナマ歌のコーラスで盛り上げる宝塚版は、より迫力がありました。
カサブランカに足止めされた亡命者たちがクサって歌う、
「Knock on wood」の大合唱も、マス劇団ならではの迫力があります。
こうやって観ると、元々ミュージカル化するにはぴったりの映画だったんだな〜。

この作品が1月に東上するときは、さらに演出を変えてくる可能性があるそうです。
既に十分な完成度だと思うんだけど!
大空祐飛がトップでいる間の宙組公演の期間中に、
またワタシがどうにか一時帰国できますように…。

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| あさぱん(Asa-Pan) | 演劇・コンサート | 18:14 | comments(0) | trackbacks(0) | -
プラハ国立歌劇場「アイーダ」

28日に東京文化会館で、プラハ国立歌劇場の「アイーダ」を観て来ました。
言わずと知れたエジプトが舞台の大スペクタクルオペラで、指揮は西本智実。
CMのカッコイイ姿でもおなじみですよネ。

今回はお友達が直前に得チケ(割引チケット)で取ってくれたにも関わらず、
なんとお席が7列目ーー!体に歌がビンビン響いてくる席でした。
下手サブセンターだったので、指揮をする西本さんの手や横顔もよく見えたv
セットは巨大なピラミッドと6本のオベリスクのみのシンプルなものでしたが、
そこに歌手やダンサーが配置されると却って壮大に見えます。



アイーダのミシェル・クライダーと、
アムネリスのヨラナ・フォガショヴァーは、
歌はもちろんのこと、女の情念が絡み合うような演技も秀逸でした。
特にヨラナ・フォガショヴァーのアムネリスさまは、キレイで威厳があって最高!
死刑を受け入れたラダメスが去っていった後で、
「死ぬ思いだわ…私だけが彼を救えるのに」と歌う様子にグッときました。
お金も美貌も権力もあるアムネリスが、
ラダメスの愛だけはまるっきり手に入れられないところがいいのだよw

演出は、2006年のマチェラータ音楽祭の演出を務めたマッシモ・ガスパロン。
アムネリスを短剣で刺そうとするアイーダとか、
生きて動く金色の玉座?!とか(椅子を模した布の中に人間が入っている)、
肉体美をこれでもかと見せつける凱旋ダンサーズとか、
墓場で自害してラダメスの膝で息を引き取るアイーダとか、
斬新なシーンのオンパレードでした。
「凱旋」のシーンの、ダンサーたちのすさまじい美しさにはマイった!
あの完璧な肉体と、スラブ人特有の美貌ってば、同じ人間とも思えません…

ところでアイーダといえば、何といっても「凱旋行進曲」ですよね。
今回はこのシーンに、あの管の長ーいアイーダトランペットが導入されていました。
ホンモノを見たのは初めてだったので、感激!
管長1.2mものトランペットが、6本も並ぶ様子は迫力満点です。



西本さんの指揮は、舞台をたいへんダイナミックに盛り上げるものでした。
魂をゆり起こすような演奏は、この大スペクタクル歌劇にピッタリ。
神官たちが奏でる音楽の静けさも、エジプトの神秘さに満ちています。
カーテンコールでは、ふつうはヒロインが指揮者を迎えに行きますよね。
しかし西本さんは女性なので、ラダメスがエスコートしてきたー!

ひとつ残念だったのは、前半(1幕・2幕)で、
タイミングのズレまくった「ブラボー」を連発する女性客がいたこと。
歌手がまだ歌ってるのにー。音楽がまだ続いてるのにー!
注意してくれた人がいたのか、後半では彼女のブラボーはありませんでした。
ホッ。フライング・ブラボーだけは、舞台をブチ壊すからやめてくれ…

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| あさぱん(Asa-Pan) | 演劇・コンサート | 22:19 | comments(0) | trackbacks(0) | -
「AIDA」観劇

日本で涼しさを満喫しています。毎日風が爽やか。
「やっぱり日本の夏は、シンガよりも全然涼しいじゃん」とか言っていたら、
「ちょうどお前が帰ってきた日から涼しくなったんだ!」と、
周囲から大反論されました。ラッキー(笑)



今週のアタマに、国際フォーラムでミュージカルの「AIDA」を観てきました。
元はもちろんオペラの「アイーダ」です。古代エジプトを舞台とした悲恋物語。
今回のミュージカルは、2003年に宝塚で上演されて好評を博した演目を、
外部の舞台用に脚色したもの。大掛かりなセットの構成は宝塚版と殆ど同じです。
衣装も古代エジプトらしくキンキラキンなので、視覚的にも大変楽しめます。

ヒロインのアイーダを演じたのは、4月に宝塚を退団したばかりの安蘭けい。
シンガポールにいた私は、この人の宝塚最後の公演を観られなかったため、
女優転進後の第一作目だけはバッチリ観たいと思っていました。
実は宝塚で上演されたときのアイーダも、
ふだんは男役の安蘭さんが女装(?!)して演じていた役なのです。
だから今回も全く危なげなく、堂々と悲劇のヒロインを演じていました。
何しろこの人は、伸びやかな歌声がすばらしいのです。
祖国と敵将である恋人の間で、揺れ動く心情を歌う声に、もらい泣き。

エジプトの若き将軍ラダメスを演じたのは、伊礼彼方。
「テニミュ」(「テニスの王子様」のミュージカル版)→
「エリザベート」の皇太子ルドルフ、と、
順調に若手ミュージカル俳優の登竜門を上り続けてきた努力の人。
今回はついに、大活劇の主役のひとりですよ!
彼も張りのある歌声がステキで、舞台への情熱が溢れています。
はっきりした顔立ちと体格の良さで、押し出しも満点。
今回のラダメスの衣装は、ほとんど上半身裸だったため、
宝塚との違いをより強く認識しましたよ(爆)
←女性が男性を演じる宝塚では、ラダメスは終始ゴージャスな長衣か鎧を着用

エジプトの王女アムネリスを演じたのは、舞台女優でボーカリストのANZA。
彼女もまた歌がすごく上手なので、主役3人の掛け合いは迫力がありました。
若い女性が権力を持つ役はただでさえ目立つうえ、
ラダメスの運命もアイーダの運命も握るアムネリスは、この演目の要。
でも、ちょっと可愛らしすぎる王女様だったかなー。もっと怖くてもいい(笑)
宝塚版で檀れいが演じたアムネリスがあまりに印象的だったものですから、
どうしてもそのイメージに引きずられちゃうんだよなー。

(今ではすっかり「金麦のお姉さん」って感じの清楚な檀ちゃんですが、
宝塚在団当時は、威厳のある役や仇っぽい女の方が鮮烈な役者だったんだよ。
「TVで一度悪女を演じてくれないかな。米倉さんっぽい役とか」と思ってるのw)



オペラのアイーダは何といっても「凱旋」の場面のあの曲が有名ですが
(チャンチャーン チャラチャチャンチャンチャン♪ …みんな歌えるでしょ)、
このミュージカルでは打楽器を前に押し出した、
東洋的な音楽でエジプトの勝利を盛り上げています。
敢えてオペラとは違うアプローチで、壮大さを演出するところが、買い。
大活劇の迫力に、私の普段観劇できない寂しさも、解消されたのでした。

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| あさぱん(Asa-Pan) | 演劇・コンサート | 00:22 | comments(2) | trackbacks(0) | -
宝塚星組「太王四神記」観劇

日本にいる間に、あちこちで観劇しています。
新作のナマ舞台をガンガン楽しむ環境は、シンガには絶対無いんですよねぇ。

滞在2日目は、日比谷の東宝劇場にすっ飛んで行きました。
宝塚星組の「太王四神記」。NHKで放送された有名韓流ドラマのミュージカル版。
今年の年初に、花組が同じ演目を上演して好評だったことを受けての、再演です。
だから、チケットが取れないの何のって!



今回、王子タムドクを演じたのは、星組新トップの柚希礼音。
押し出し十分のトップ姿は、たいへん立派なものでした。
無表情で神秘的なムードが強かったTVのタムドク(←ヨンさま)に比べて、
表情豊かな青年像を、強く打ち出した役作りが印象的。
そしてこの人は、ダンスがとにかくかっこいいのです。
殺陣のターンも早くて、戦闘シーンの身のこなしに目が釘付けでした。

しかし最大の儲け役だったのは、二番手の鳳稀かなめが演じるヨン・ホゲ。
花組版では大空祐飛が演じて当たり役となった、影のあるライバル役です。
やっぱり女性は、正統派のヒーローよりも、ダークな役に惹かれるのよねぇw
運命に歯向かおうとするドス黒いオーラは、
正直ベテランの大空さんが全然上で迫力があったんですけど、
若い鳳稀さんの演じるホゲは、運命に弄ばれた哀しさが漂っていて、
これはこれば良いのです。

新しく娘役のトップになった、夢咲ねねのキハは、とても美しくて可憐。
何しろ宝塚は衣装へのお金のかけ方が世界一なもんですから、
韓流時代劇に必須の豪華なコスチュームが、すごく華やかに再現されています。
キハの衣装は特に、コスプレ好きの私の心を揺さぶりましたよ。着てみたいー(爆)



シンガポールには、日本人駐在員とその家族が大勢住んでいます。
が、韓国から来た駐在員やその家族、さらに英語を勉強に来ている学生さんも、
負けないくらいたくさん住んでいるのです。

だから私も、シンガポールに移ってから、韓国人のお友達がたくさんできました。
彼女たちにミュージカル版「太王…」の事を教えたらどんな反応をするかしら。
シンガポールに帰って、みんなにパンフレットを見せるのが楽しみv

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| あさぱん(Asa-Pan) | 演劇・コンサート | 23:44 | comments(0) | trackbacks(0) | -
エリザベートが来る日まで

何度も書いていますが、シンガポールは日本人にとって大変暮らし易い国です。
日本の本や漫画は発売日に買えるし、日本の食材もカンタンに手に入ります。
さらに水泳やウォータースキーが好きだったりしたら、天国と言えるでしょう!

しかし残念ながら、私は違うの(爆)
日本での私の週末は、劇場に行くか美術館の企画展に行くかのどちらかでした。
だから「劇場街」と「美術館街」の双方が無いシンガには、ちと寂しいものが。
いつでも複数の劇場に新作(かつ大作)のお芝居がかかっていて、
ルーヴルやプラドやエルミタージュからひっきりなしに名画がやってくる、
日本(の首都圏)って本当に恵まれていたんだなぁ…と実感する今日この頃です。
ええ、究極のインドア派ですから!!

というわけで、ちょっと帰ってきましたww



日本に一時帰国するなり、向かったのは関西・宝塚大劇場。
ここでは現在、チケット難の超人気大作「エリザベート」を上演中です。
これは新作ではなくて、さんざん再演されている演目ですけど、私は大好き。
ウィーンの初演版から始まり、宝塚の雪・星・宙・花・月・雪組版、東宝版と、
観られる限りの公演は全て観に行ってる。今回で観るのは三十数回目w
ウィーンまで観に行くくらいなので、日本でエリザをやる時は、当然帰りますわ。

ご存知の方も多いと思いますが、「エリザベート」はハプスブルク帝政末期の、
美貌の皇后の生涯を描いたミュージカルです。とにかく音楽が美しいのです。
死神に見入られたオーストリア皇妃と、その夫や息子が悲劇に陥る様子を、
タカラヅカ版では様式美を駆使してゴージャスに描いています。
史実を重視しながらデザインされた、華やかな衣装もステキです。



今回、主人公の死神「トート」を演じたのは、月組トップの瀬奈じゅん
かつての公演ではエリザベート役も、暗殺者ルキーニ役も演じたすごい人。
今回はナイフのような鋭い視線と、人を死に誘う歌声が絶妙でした。
エリザベートを演じたのは、若手の大抜擢で凪七瑠海。何と普段は男役!
よくよく見たのは初めてでしたが、スタイル抜群の美しいヒロインです。
特に第一部の若い時代の表情がいい。晩年はちと元気すぎたけどね(苦笑)
夫のフランツ・ヨーゼフを演じた、霧矢大夢は最高!晩年の悲哀が泣かせます。
暗殺者ルキーニを演じた龍真咲は、狂言回しを緩急自在に務めていてグー。
皇太子ルドルフ遼河はるひは、聡明さが却って運命を狂わせたという感じ。
それぞれの人物が物悲しくて、この演目を観るたびに涙腺崩壊の私です。
今度のエリザベートでも、そりゃー鼻水ズルズルでしたよ!

「エリザベート」は1992年のウィーンでの初演以後、日本、ハンガリー、
スウェーデン、オランダ、ドイツ、イタリア、フィンランド、スイスの、
各国で上演されています。ドイツ語ミュージカル史上屈指のヒット作です。
メロディアスな音楽は、どの国の人にも理解されやすいと思います。
アジアでは日本だけしか上演されていないので、ぜひシンガでもやってほしい。
ていうか、エスプラネード・シアターに、来い(爆)
「オペラ座の怪人」や「キャッツ」みたいな超メジャー英国産作品でなく、
「エリザベート」のような世紀末的退廃美の漂う演目を見たら、
シンガポーリアンはどんな反応をするかしら。すごく知りたいです。
知人のローカルのミュージカルファンと、この作品を語り合いたいんで、ぜひ。

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| あさぱん(Asa-Pan) | 演劇・コンサート | 01:35 | comments(6) | trackbacks(0) | -
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