シンガポールに来てからヒンドゥー教寺院とその神様に興味を持った私。
いちばん最初に覚えた神様は、富と学問を司る神ガネーシャでした。
何しろゾウの頭に人間の体を持つ神なので、彫像も見分けやすいのです。
ガネーシャはもともと
女神の垢から作り出された人形(!)だそうな。
シヴァの奥さんのパールヴァティーが、入浴したときに出た垢で人形を作り、命を吹き込んで自分たちの子供にしたんですって。しかしある日お父さんのシヴァの怒りを買って頭を切り落とされてしまい(!!)、その後我に返ったシヴァの手によって通りすがりのゾウの頭を付けられて生き返った(!!!)…というすさまじい経歴を持つ神様です。ユーモラスな姿の影には、パパの理不尽なお怒りが……
ところでガネーシャ像は
右側の牙が折れているのをご存じですか?↑
月夜の晩に満腹でご機嫌だったガネーシャが道で転び、その様子をお月様に笑われたため、自ら牙を折って月に投げつけた、という説が有名です。
パパと同じく短気な神様だな(笑)。
ちなみにインドの壮大な叙事詩「マハーバーラタ」は、ガネーシャが折れた牙をペンにして書いたもの(!)だと言われています。そんなわけでヒンドゥー教寺院のガネーシャの彫像は、よく見ると手に牙を持っているのです。折れた牙は彼の知性の象徴であり、だからガネーシャは学問を司る神様として尊ばれているんですね。
インド神話では賢さを司るゾウの神様ですが、実際のゾウさんも賢い。
シンガポール動物園のゾウは、一日2回「エレファント・アット・ワーク・プレイ」というショーを披露しています。これが、ゾウの能力の驚異的な高さを示すもの。4頭のゾウさんがポーズを取ったり、協力して丸太を運んだり、調教師さんとコントを演じたりするのですが、ただ賢いというだけでなく演技力も抜群なのです。「しっかり者のガンビール」「ツンデレのジャーティー」など、4頭のゾウのキャラが見事に立っているのだ。一見の価値ありです。
東南アジアで暮らすようになってから、身近になる一方のゾウさん。
かつては大して興味もない動物でしたが、現在我が家には3頭のゾウのぬいぐるみがいます。賢さにあやかれるように、ガネーシャの置物も買おうかなぁ?
↑ランキングに参加しています。押していただけると励みになります。
↑本家サイト。