ちょっと日本に帰っていました。コンサートを聴くためです。
毎年秋にNHKホールで行われる「NHK音楽祭」の、4日目のシドニー交響楽団の公演に行ってきました。
指揮:アシュケナージ/ピアノ:キーシンの豪華競演だったのですもの!早々と全席完売したこの公演、私も半年以上前からチケットと飛行機の座席を予約して、この日を待っていたのです。
◆ショパン:ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調 作品11キーシンの独演会といういう感じでした。今まさに円熟期。
高音のきらめきといい低音の荘重さといい、
神がかり的です。私は第一楽章後半の、第2主題の再現部から後が好きなんですが、その部分の切なさ全開の音にメロメロでした。何と繊細で甘美な音の運びなんだ…
第二楽章のロマンスには、客席も皆うっとりしている様子が見えた(笑)
第三楽章のロンドは、オケの調子が上がってきたこともあって、キーシンの弾きっぷりもノリノリでした。
実はオーケストラについては、ちょっともたついた印象でした。
特に第一楽章は、ホルンがカマしてた箇所もあったし(;´Д`)。
しかしこの曲自体、もともとオーケストレーションについては、イマイチと言われる作品ですからね(あわわ)。キーシンのピアノの美しさが堪能できれば、それでオッケー。
あと、会場のNHKホールは所詮多目的ホールなので、音響に限界があります。でも3600人収容のこのホールでなければ、私ごときの実力でこの公演のチケットが取れたとは思えないので、目をつぶってあげましょうw
コンチェルトの後で、キーシンによるアンコールが2曲ありました。
1曲目はショパンの
スケルツォ第2番でしたよ。すごっ(@_@)。単独のピアノリサイタルだったらメインの曲ですよ、コレ。これがまた壮大で華麗な演奏で、ぶっちゃけた話、この日いちばん印象に残ったのはこの曲だったくらいです。感動しました。
2曲目は小犬のワルツ。凄いスピードで、小犬のくせに超絶技巧曲になってたわww
◆ラフマニノフ:交響曲 第2番 ホ短調オーケストラとしては、こちらの曲の方が断然すばらしい出来映え。
御年74歳のアシュケナージの、体全体を使った指揮の力強さに脱帽しました。11月7〜10日にかけて、福岡から東京まで、4日連続で指揮棒を振ってるのに!小柄なアシュケナージが、きびきびノビノビ指揮をする姿が印象的です。
ラフマの交響曲第2番の肝は、なんといっても第三楽章です。
この日の演奏もここが秀逸でした。優美な旋律の広がりに溺れましたよ、ブクブクと。クラリネットのソロパートが美しすぎて、何だか目頭が熱くなりました。やはり生演奏は心に直接響きますね。
第四楽章の情熱的な演奏も圧巻。特に後半の収束力がすごかったです。
こちらのシンフォニーの後のアンコールは
「A Song for Japan」。
スティーブン・フェルヘルストという作曲家の、トロンボーンの曲です。東日本大震災の被災者と日本を励ますために、今年の4月に作曲されました。これを世界中の様々な音楽会で演奏し続けていくことによって、被災地に思いを馳せようとするプロジェクトだそうです。
既にYou Tubeにも、各国で演奏されたこの曲の映像が上がっています。
団員さんがこのことを日本語で説明してくれた後で、4人のトロンボーン奏者が舞台前面に出てきて、演奏してくれました。
静かさの中に力強さを秘めたトロンボーンのメロディに、泣かされましたよ…。震災から8ヶ月が経った今でも世界中の国々に、日本のことを支えようとしてくれる人たちがいるんだなーと実感しました。
この日のコンサートの様子はNHK BSプレミアムで放送されるそうです。
(ワールドプレミアムの枠では放送しないみたい、残念。国内のみです)
11/26(土)23:30〜翌3:30にオンエア。下手側のバルコニー席で、解説者の撮影をしている様子も見ましたよん。すてきなコンサートだったので、日本国内にいる方はぜひご覧になってください。
↑ランキングに参加しています。押していただけると励みになります。
↑本家サイト。