毎日、地元のChannel 5でロンドン・オリンピックの中継を見ています。
シンガポールで盛んなスポーツといえばバドミントンや卓球なのですが、卓球女子個人の準決勝まで進出した、石川佳純選手はがんばりましたね。
3位決定戦の相手がシンガポールの選手ということで、試合当日は私もドキドキしておりました。結果はフェン・ティアンウェイ選手が、1960年以来52年ぶり(!)のオリンピック個人競技のメダルを、シンガポールにもたらしたんですが…
ところでこのフェン選手、
シンガポール人になったのは実は4年前です。
もともとは中国人で、生まれたところはハルビン。2008年の北京オリンピックに出場するべくシンガポール国籍を獲得した、いわゆる帰化選手なのでした。だからか、地元TVのインタビューでも英語は一切しゃべっていません。きっぱり中国語のみで受け答えをしていましたよ。でも新聞もTVも、華々しく彼女の活躍を取り上げていました。
そんなフェン選手のメダル獲得を、シンガポーリアンはどう見たのか。
にわかに興味が湧いたので、昨日プチ調査を試みました。まずは乗り合わせたタクシーの運転手さんを直撃!
「卓球女子シングルスが銅メダルを獲ったね、おめでとう!」と言ったら、華人系ローカルの運転手さんはすごい勢いでこう答えました。
「何がめでたいものか。あれは金で買われた中国人だ。その金の出どころは我々の税金だ。しかも政府は彼女に25万シンドルもの報奨金を贈るという。その出どころも我々の税金だ。おかしな話じゃないか!」あららー、やっぱり生粋のシンガポーリアンは、帰化スポーツ選手を同胞とは認めていないのですね(^_^;。
「それはあなた個人の意見?それともあなたの周りの人もそう思ってる?」と尋ねたら、「もちろん私の家族も友達もみんなおかしいと思っている!」と力強く答えていました…さもありなん。
ちなみに25万シンドルは、日本円で1575万円です。太っ腹だな、シンガポール政府!!
タクシーで到着した先に待っていたのは、華人系ローカルの友人ふたり。
さっそく同じ問いかけをしてみたところ、彼らは淡々とこう答えました。
「うーん、関心ないネ。だってフェン・ティアンウェイは、シンガポーリアンじゃなくて中国人だし…」「シンガポール国籍を獲った人が、また国籍を変えるのは、結構簡単なんだよ。だから彼女も中国籍に再変更して、銅メダルと報奨金を持って故郷に帰るんじゃない?」「だいたい卓球の選手って、中国から帰化したオーストラリア人とか、中国から帰化したオランダ人とか、中国から帰化したカナダ人とか、そんなのばっかりじゃん。もういっそ卓球は、『中国人』と『中国から他の国に転籍した人』と『その他の国の人』の3カテゴリーに分けた方がいいと思うね」あららー、やっぱり生粋のシンガポーリアンは、帰化スポーツ選手を同胞とは認めていないのですね(^_^;。
そんなわけで、今回の銅メダル獲得について「シンガポールのスポーツ界にとって歴史的な快挙だ!」と盛り上げているマスコミと、シンガポール国民との間には、深ーい隔たりがあるようです…さもありなん。
あと数時間後には、日本の卓球女子団体が、準決勝でシンガポールのチームと対戦します。私はシンガポールの地から、ロンドンに向けて「ニッポン、ちゃちゃちゃ!」と勝利を祈る念波を送っておきます。がんばれー、佳純ちゃん愛ちゃん早矢香ちゃん!
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